7月4日 PUBLIC IMAGE LTD.@ 松下IMP HALL

ジョニー・ロットンセックス・ピストルズを脱退し、本名のジョン・ライドンで、PUBLIC IMAGE LTD.を結成したのが1978年。なので、今回はPiL40周年という来日。ピストルズは1996年の再結成と2008年のサマソニ、PiLは2011年のサマソニと前回2013年の単独…と何回か観てきたのだけど、元祖パンク世代ながら、PiL自体にはあんまりかまってこなかった。音楽云々よりもジョン・ライドンの現状を拝みに行く感じだ。

整理番号は40番代だったけど、何とか最前柵の端っこに滑り込んで待機。場内にはずっとレゲエが流れている。そして定刻7時30分を15分ほど過ぎてメンバー登場し、“Warrior”でスタート。白のダボダボ・シャツの上にベスト姿のジョン・ライドンは、さらに巨大化した身体で老眼鏡をかけ、譜面台の前に立ち、歌詞を見ながら朗々と歌う。パッと見はロックのライヴというより「ライドン先生の講義」な雰囲気。サテン地で縁にトリミングがあるベストかと思いきや、よく見ると脇や背中にタグが出てる。ってことは裏返しに着てる さすが、ライドン先生。パンクを感じるなあ

ちなみに前日、東京のライヴ写真はこげ茶ベストをちゃんと着てた。

その声には力が漲っているし、調子っぱずれな絶叫も相変わらず。曲間にはブランデー(ウィスキー?)でうがいをして、ドラムセット前のゴミ箱にバーッと吐き出すので、前方だと何となく酒の匂いも漂ってくる。 「オオサカ、イチバン?ホワット・イズ・イチバン?」と始まった“The One”に、 パティ・スミス師匠降臨のような詩の朗読“The Room I Am In”から、あの「白鳥の湖」リフが忘れられない“Death Disco”の熱唱。時にデス声で “Hello, are you having fun?”と客席にと呼びかけたかと思うと“Me,too”とのたまい、ご機嫌は悪くなさそうだパンク時代そのままな “I'm Not Satisfied”の絶叫や、呪術のような“Flowers of Romance”。 さらに“This Is Not a Love Song”  “Rise”の連発に叫びまくっていったん終了。

メガネ外す時も

アンコールはやっぱりピストルズジョニー・ロットンに戻っているような、“Public Image”で始まり、興奮した客席からは、イマイチうまく泳ぎきれてないダイバーの姿も 最後の“Shoom”が終わると「Good Evening, This is PiL」と最後にメンバー紹介、さらに後方のスタッフにも謝辞を述べて、オオサカ、イチバン!と 何ともチャーミングな笑顔でお辞儀をし、譜面台のファイルを抱えて去る姿は、やっぱりジェントルマンなライドン先生の講義終了って感じだった。時間にして1時間半足らず。

終演後

1956年1月生まれだから現在62歳。時には自虐的に年をとって太った自分すらネタにしながら、パンク何十周年とかの度に話題を作り、ピストルズ以降の40年をしぶとく生き抜いてきたエネルギーは、大したもんだ。それでも、70歳越えのポール・マッカートニーや、ボブ・ディラン御大のことを思えば、レジェンド枠に押し込めるのはまだ早い。今回のセットリストも、2015年の最新作「What the World Needs Now…」から4曲と、決して懐かしモードの完全再現なんかじゃなかった。果たしてこの次はどんな名目で何をやらかし、来日してくれるのか。それまでまた気長に見守っていくことになりそうだ。

PUBLIC IMAGE LIMITED OSAKA SETLIST JUL.4, 2018

1.Warrior

2.Memories

3.The Body

4.The One

5.Corporate

6.The Room I Am In

7.Death Disco 

8.Cruel

9.I'm Not Satisfied

10.Flowers of Romance

11.This Is Not a Love Song

12.Rise

Encore:

13.Public Image

14.Open Up (Leftfield)

15.Shoom

7月20日発売のボックスセットの予約も会場で受け付けていた。

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