夏バテのバラにはお水をたっぷりと!

やべぇな。

このくそあっちぃ夏に、まだバラの水やりは控えましょうとか言ってる人がいるの?

それがどれほど異次元の不思議ワールドから来ている言葉なのか、ちょっとここで説明させてください。

と言っても、あんまり詳しくない人間が聞きかじりの知識を並べているだけなので、一部間違っていたり分かりにくいかもですが。

少なくとも、夏のバラには水をたっぷりやる。水を控えるなんてとんでもない!ってことだけはあってます。

だってウチのバラ、連日40度近くまで気温が上がっちゃうような庭で栽培しているけれど、ちゃんと育ってる子の方が多いし。

まだまだバラのお世話の仕方を勉強中ですが、とりあえず勉強した成果を晒します。

水遣り云の話をするために、まずは植物の体の仕組みから

1暑い時期にバラの葉の色がうすくなったり葉が落ちるのはなぜか

植物の光合成能力に限界があるため、光を受ける量を調節しているから

日光を利用してエネルギーや栄養を作る植物だって、利用できる光の量には限度ってもんがあります。

無限に光を浴びて光合成ができるなら、真夏の草木はめっちゃ濃い緑になってるはずじゃない?でも、実際に見てみると、特に日向に生えている植物は、思ったよりも濃い色の葉じゃないよ?

いや、ガンガン肥料入れまくっている畑や庭の草木は別として。

あれは強すぎる光が植物にとって害になるから、色素を減らして光の吸収を抑えているんです。

人間だって強い光を浴びすぎれば、日焼けを通り越して火傷になったり、皮膚ガンの原因になったりするでしょ?植物も一緒。夏の日差しは植物にとっても強すぎる。

だから夏の植物は葉が薄い色になったり、場合によっては余分な葉を落としたりするのですよ。いわば植物の自己防衛。

それなのに、肥料が足りないと勘違いして施肥をするそれ、逆効果ですから!

2なぜ植物に水が必要なのか?

植物の体内環境を維持するため

植物も生き物です。当然、生命活動をしています。

理科の授業でたぶん習っている、蒸散といものも植物の生命活動の一種で、植物にとっては非常に重要な活動でもあるのよ。

昔に習った記憶を掘り返すと、蒸散ってのは主に葉っぱの裏側にある気孔から光合成によって作り出された酸素と水を吐き出すこと。この時に吐き出される水は蒸気になっていて、植物の葉にビニール袋をかけてしばらくおいておくと、ビニールの内側に水滴が貯まる、的な事を習ったことがあるはず。

で、この蒸散によって植物は水を根から吸い上げるパワーを得ている、というのが最近知った植物の体の仕組み。

植物には維管束という物があって、そこを根から吸い上げた水や光合成で作られた栄養が行き来する、いわば血管のような物。

でも植物には心臓なんてない。ないのに何メートルの大きさの植物だろうと体の隅まで水が行き渡っている。

毛細管現象細い筒状物体の内側の水が上昇する物理現象では吸い上げには限度がある。けれど、そこに蒸散による水蒸気の放出パワーを加えることで、水を何メートルも吸い上げる力を得ているんです。

つまり、ストローを使ってジュースを飲むのと同じ原理。

この蒸散には植物の隅にまで水を運ぶという他にも重要な役割がありまして。

それは植物の体内の熱を下げること。

いや、よく考えて。植物だって生き物だからね。生命活動をしてるからね。エネルギーを消費する活動をしているなら、当然熱が発生します。

それに日光を浴びているなら、葉っぱの表面温度だって上がりますからね。

この熱を下げずにいるとどうなるのかと言うとまあ、野菜炒めのできあがり、ですわ。

そうならないように、植物は気孔から水蒸気を出して体内の温度を下げているのです。

詳しく言うと、出しているのは酸素と水と熱と、余って不要になった栄養ね。

大きな木の木陰にいると何となく涼しいのは、蒸散のおかげってのもある。天然のミストシャワーですよ。気化熱の効果ってバカにできんのです。

ちなみに一緒に排出される余剰栄養ってのが亜硝酸ガスっつーて、植物の害虫をおびき寄せる原因にもなっているんですが今はかんけーないので割愛。

以上が蒸散の役割。

植物だってね、酷暑の中で体調を整えるのに必死なんですよ。

3水やりを控えることで起きる弊害は?

植物の根の浸透圧の低下。それに伴って致命的ダメージに繋がる各種障害が出ます

前にもネタにしましたが、植物の根が土から水や栄養を吸収する時、浸透圧を利用しています。

浸透圧ってのは、接触している二つの異なる濃度の水溶液のうち、濃度の低い水溶液から濃度の濃い水溶液に水が移動し、濃度を均一にしようとする現象。二つの水溶液の濃度に差があればあるほど、水の移動量が大きくなります。つまり、浸透圧が高くなるわけです。

植物と土の関係で言えば、植物の細胞内の方が土の中の水よりも濃度が濃いので、水は土から植物の根へと移動していきます。そのとき一緒に水に含まれる栄養も吸収されて、光合成やら何やらに利用されるわけです。

ふつうの状態ならこの仕組みで植物が水を吸収できるのですが、例外が起きて水が吸えなくなる場合がありまして。

そのウチの一つが、そもそも土の中に水が存在していない状態水切れ。

もう一つが、植物の細胞内よりも土の中の水の濃度が高い状態肥料過多。

この二つのどちらか一方、もしくは両方が起きた場合に植物は根から水を吸い上げられず、萎れ、最悪枯れます。別名、水枯れとか根焼けですね。

ちなみに、あげた肥料の量が少なくても、水の中の肥料濃度が上がることがありますよ。

それが、土の中の水分量が少ないときです。

で、ここまでの説明をふまえて、鉢植えのバラで夏の水遣りを控えた場合の流れを説明します。

バラ光が強すぎて光合成のキャパを超えてきてるなぁ

ちょっと活動を調整するか

バラ葉緑素の生成を抑えて薄い色の葉を作る

暑くなる前に作った葉は今の環境に合わないからイラネ!古い葉が枯れて落ちる

人間バラの葉色が薄いあ、葉っぱが枯れて落ちちゃった!

肥料不足かな?肥料をあげよう。元気になれよー。土の中の水分の肥料濃度があがる

バラアレ、水を吸いにくいぞ?肥料濃度があがって浸透圧が低下

やべぇな、蒸散が間に合わない。体が冷えない。

こうなったら光が当たる面積をもっと減らすかさらに葉が落ちる新芽が枯れる

人間アレ?さらに調子が悪くなったなぁ夏バテかな?最近暑いもんね。

ちょっと水を控えよう。

バラあついー蒸散しなきゃ水をもっと吸ってって、水が少ないぞ!

少ないどころか根から土に水が吸い取られちゃう!水の濃度が根土になることで、今度はバラの根から土に水が移動

ヤバい!暑い!こりゃだめだ、この枝もあっちの枝も減らさないと!枝枯れ根焼けで致命的ダメージ

人間あーあ、バラが枯れちゃった。

今年の夏は暑いから仕方ないねー。

ね、ありえなくね?

これでまだ夏のバラの水やりは控えるべきだと言うなら、そのバラってのは未知の仕組みでできた新種のバラのことですよ。

夏場は毎日、鉢の中の水を総入れ替えするぐらいの勢いで水をやる。

ウチの場合、朝と昼過ぎに二回本当は夕方に二回目をやりたいんですが、出勤時間の関係で一番暑い14時ぐらいにしかできません。

それでも無駄に花を咲かそうとするぐらい元気な子たちばかりなので、この時間に水やりしても大丈夫なんでしょう。

バラ以外の花も休まず咲いてくれているしね。

肥料も時あげていますが、あげているのはめっちゃ薄い液肥のみです。それも、朝あげて、昼過ぎには水やりして全部流してしまうぐらいの勢いです。

それでもバラにとって必要な栄養は吸収できてるのかな?新芽は出るし、シュートものびるし、葉もきれいに広がっていますよ。

とにかく言える事は、

夏のバラには水をたっぷりやれ!

病害虫対策やらその他の不調の話はそれからだ!!

ってことです。